Takaちゃんの背中から身体を離して
涙をふきながら Takaちゃんに声をかけた
「そうだ Takaちゃん
お姉ちゃん 夕べTakaちゃんがおいしいって言ってくれた ロールケーキをまた作ったんだ
ね いっしょに食べよ 今もってくるからね
ね ね 待ってね」
Takaちゃんの部屋を出て 涙を拭きながら階段を下りて行くと 下にTakaちゃんのお母さんが心配そうに待ってた
「ねぇ Takaどう?」
「声かけても答えてくれない (T-T) ウルウル」
「そう 唯ちゃんでもだめなんだ・・・・」
「でも今 夕べつくった Takaちゃんの好きなケーキ持って来ようと思って」
「ああ ありがとね あの子ったら、唯ちゃんに迷惑かけて・・・・ ごめんね」
「あとで ポットとお湯借りていいですか 紅茶作ろうと思うんで」
「それは、うちで用意するから ありがとう」
「はい じゃ ケーキとってきます」
まだ、何度も作ったわけじゃないけど、Takaちゃんに食べてもらったら、おいしいって言ってくれたケーキ
お店のケーキより、
お姉ちゃんの作ったケーキのほうがおいしいよ なんて言ってくれて、にこにこ笑いながら食べてくれた
なんか作ったわたしまでうれしくなるような笑顔で
Takaちゃんの笑顔が好き あの笑顔が消えちゃうのはいやだ
でも きょうのあの調子で Takaちゃん ケーキ食べてくれるのかな
ケーキを持って Takaちゃんの部屋のドアの前で、また
「
お姉ちゃんだよ ケーキ持ってきたよ 入るよ」って言って部屋に入った
相変わらず Takaちゃんは、ベッドに横になって、ふとんかぶって、背中向けてる
Takaちゃんの部屋にある折りたたみ式のテーブルの脚広げて その上にケーキを用意した
「Takaちゃん 一緒にケーキ食べよ この前Takaちゃんが、おいしいって言ってくれたケーキだよ
お姉ちゃんが夕べ作ったんだ 何度か作ってるから、だんだん上手になってきてると思ってるんだ('-'*)エヘ
ねえ Takaちゃん 用意できたよ もう食べられるよ
ね 一緒に食べよ」
私が 黙ると 部屋の中がしーんとする
そんな部屋の中で
「ねぇ Takaちゃん 食べようよ」っていう私の誘いの言葉だけが何度も
三十分待っても、同じことの繰り返し
「ねぇ Takaちゃん 黙ってちゃ
お姉ちゃんなんだかわからないよ! それじゃ
お姉ちゃんが、悪くても
謝ることもできないじゃない ひどいよ 黙ってるなんて 言いたいことがあるのなら言ってよ
黙ってるなんて Takaちゃんらしくないよ」
そう叫んで この前のTakaちゃんが泣いたときみたいに わーんわん泣きだした
数分間 声あげて泣いた後 体育座りでうつむいて しくしくやってたら
「お姉ちゃん 泣かないでよ」っていうTakaちゃんの声がした
「Takaちゃん」
「もう 泣かないでよ」
「うん 泣かないから ね 一緒にケーキ食べよ」
Takaちゃん 静かにベッドの上で身体起こして それからテーブルのところに来て座ってくれた
涙を手でぬぐってから ケーキをカットして Takaちゃんの前のお皿においた
「ねぇ 食べよ 今回のは、お姉ちゃんの自信作なんだ」
Takaちゃん 黙って、フォークとってひと口食べてくれた
「ねね どう おいしい?」
Takaちゃん 黙って うなずいてくれた
「そお よかった
ああ 紅茶いるよね とってくるね」
そういってTakaちゃんの部屋を出たら ドアの外に、おばさんがポットとカップと紅茶を用意してくれてた
「おばさんが用意してくれてた^^ 今、入れるね」
ティーパックをカップに入れて、お湯を注いで、一分半待った
「Takaちゃん・・・・・・
この前は ごめんね 圭と仲直りしたくて わたし一生懸命になっちゃって やりすぎた」
そう言ったら Takaちゃん 持っていたフォークをテーブルに置いて、うつむいてボロボロって、大粒の涙流した
「やっぱりTakaちゃん、元気ないの この前、おしおきしちゃったせいなのね
ほんと ごめんね Takaちゃんが、なにもなくて暴力なんか振るう子じゃないって知ってたのに」
「もう いいよ σ(・・*)ぼく お姉ちゃんに誤解されてるのがつらかったんだ でもお姉ちゃんがそう言ってくれるなら」
Takaちゃん また フォークを手にとって
「お姉ちゃんの作ったケーキ おいしいよ」
そういって Takaちゃん きょう初めて すこしにこっと 笑ってくれた
それから 一時間ぐらい話してたら Takaちゃん いつものTakaちゃんに戻ってくれた
ほんとうに よかった・・・・
Takaちゃん 私にとって やっぱり大事なひとだもん